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大阪地方裁判所 昭和49年(わ)402号 判決 1974年6月20日

一、本店所在地

大阪府池田市栄町一〇番一〇号

商号

株式会社北田呉服洋品店

代表者

北田昇

二、本籍

大阪府池田市栄町二、九六五番地の二

住居

同市同町一〇番一〇号

職業

株式会社北田呉服洋品店代表取締役

氏名

北田昇

昭和五年二月一六日生

右両名に対する法人税法違反被告事件につき、当裁判所は検察官阿部正義出席のうえ審理を遂げ、次のとおり判決する。

主文

被告人株式会社北田呉服洋品店を罰金三五〇万円に、被告人北田昇を懲役四月に各処する。

但し、被告人北田昇に対しこの裁判確定の日から二年間右懲役刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告人株式会社北田呉服洋品店は、大阪府池田市栄町一〇番一〇号に本店をおき、衣料品等の販売業を営むもの、被告人北田昇は、同会社の代表取締役としてその業務全般を統括しているものであるが、被告人北田昇は、同会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、

第一、昭和四五年九月一日から同四六年八月三一日までの事業年度において、その所得金額は三九、三一一、三六七円で、これに対する法人税額は一四、〇二一、三〇〇円であるのにかかわらず、公表経理上売上げの一部を除外し、これによって得た資金を架空名義の定期預金にするなどの行為により、右所得金額中一四、八八三、〇一八円を秘匿したうえ、同四六年一〇月三〇日大阪府池田市城南町二丁目一番地の八所在豊能税務署において、同税務署長に対し、右事業年度の所得金額は二四、四二八、三四九円で、これに対する法人税額は八、五五三、六〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって不正の行為により法人税五、四六七、七〇〇円を免れ、

第二、同四六年九月一日から同四七年八月二一日までの事業年度において、その所得金額は五三、七二五、七二九円で、これに対する法人税額は一九、一五六、六〇〇円であるのにかかわらず、前同様行為により、右所得金額中二三、八三一、〇一一円を秘匿したうえ、同四七年一〇月三一日前記豊能税務署において同税務署長に対し、右事業年度の所得金額は二九、八九四、七一八円で、これに対する法人税額は一〇、四五四、〇〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって不正の行為により法人税八、八〇二、六〇〇円を免れ

たものである。

(証拠の標目)

判示全事実につき

一、被告人株式会社北田呉服洋品店代表者兼被告人北田昇の当公判廷における供述

一、被告人北田昇の検察官に対する供述調書九通

一、同被告人の収税官吏に対する質問てん末書

一、同被告人作成の昭和四八年一〇月二六日付供述書

一、同被告人作成の同年一一月一三日付確認書

一、浜良美の検察官に対する供述調書

一、北田清太郎の検察官に対する供述調書

一、同人の収税官吏に対する質問てん末書三通

一、同人作成の確認書

一、竹之内一郎の収税官吏に対する質問てん末書二通

一、竹之内一郎、前田三郎、松葉譲、津野知三各作成の各供述書

一、収税官吏作成の現金預金有価証券等現在高検査てん末書六通

一、土木敏郎作成の確認書三通

一、阿江完外二名作成の確認書

一、阿江完外一名作成の確認書

一、竹之内一郎作成の昭和四八年九月六日付確認書二通

一、川島勉(三通)、辻靖隆(三通)、中西一貴、酢谷周爾(二通)、萩野谷昌康、井上進、青木隆重各作成の各確認書

一、森田直実の収税官吏に対する質問てん末書三通

一、同人作成の確認書七通

一、収税官吏作成の調査報告書九通

判示第一の事実につき

一、豊能税務署長作成の証明書(昭和四六年一〇月三〇日申告の分)

判示第二の事実につき

一、豊能税務署長作成の証明書(昭和四七年一〇月三一日申告の分)

一、橋詰昌明作成の供述書

一、竹之内一郎作成の昭和四八年一〇月四日付確認書

(法令の適用)

被告人らの判示各所為はいずれも法人税法一五九条、七四条一項二号(法人の処罰につき、なお一六四条一項)に各該当するところ、被告人会社については以上の罪は刑法四五条前段の併合罪なので同法四八条二項により所定罰金額を合算した金額の範囲内で被告人会社を罰金三五〇万円に処し、被告人北田昇については所定刑中各懲役刑を選択し、以上の罪は同法四五条前段の併合罪なので同法四七条本文、一〇条により犯情の重い判示第二の罪の刑に法定の加重をした刑期範囲内で同被告人を懲役四月に処し、なお諸般の情状に鑑み同法二五条一項一号を適用してこの裁判確定の日から二年間右刑の執行を猶予することとする。

よって主文のとおり判決する。

(裁判官 橋本達彦)

右は謄本である。

昭和四九年九月 日

大阪地方裁判所第一二刑事部三係

裁判所書記官 田村剛

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